後輩先輩座談会
建設の世界は、女性に優しい。
——ウチヤマコーポレーションでは、新入社員に先輩社員がついて、OJTを実施するそうですね。MさんのメンターになったのがDさん。お互いの第一印象はどんなものだったのでしょう。
M. 「頼りがいのある先輩」というイメージです。入社1年時に面倒を見てくださったご縁から、今でも助けていただくことが多いです。共通の趣味があるので、仕事以外の話も弾みます。
D. ミュージカル仲間だよね。Mさんは、学生時代のサークルでミュージカルに出演していた経験もあるということで、「同志だ!」と。最近、普通の映画を観ていると、どうも物足りなくて。「なんで、そこで歌わないんだよ!」ってツッコミを入れてしまう……。
M. 営業先である建設現場って、かなり転々としていて。社用車での移動時間が長いから、そこでのコミュニケーションって大事になりますよね。
D. そうそう。でも最初はかなり気を遣っていたかな。建設業のお客さまは、ほとんどが男性。私たちの営業部門も営業職の女性はいなかった。Mさんはハキハキしていて、明るくて、営業らしいタイプだなと思っていたけれど、メンバー全員が「どう接すればいいんだろう?」って。中学生男子みたいにモジモジしていたから。Mさん自身は、男性ばかりの世界に飛び込んできたわけだけど、違和感はなかった?
M. 入社前は現場にいる職人さんから「女が何しに来た! 帰れ!」なんて言われる世界をイメージしていました。でも、全然、そんなことはなかったし、どなたもすごく優しくて。誰もがあたたかく迎えてくださいますし、わからないことがあれば、何でも丁寧に教えていただけました。完全に誤解でしたね。
D. ……そんなイメージを持っていたのに、よく入社してきたね(笑)。
M. 多少の迷いはありましたが、建築が好きでしたし、母に相談すると「向いているかどうかなんて、やってみないとわからないでしょ!」と言われて(笑)。でも、会社の雰囲気を感じてみると、そんな不安は一瞬でなくなりましたよ?
D. 面倒見のいい人が多いし、コミュニケーションもフラットだからね。すごく厳つい顔をした人が、話してみると驚くほど饒舌で、優しいみたいな。
M. そうですね。入社当初は、みなさん気を遣い過ぎている感じでしたが、今では、遠慮なくイジられるようになりました(笑)。その方が気楽だし、嬉しいんですけどね。それも、この会社が人材を何より大切にしているから。最近では、テレワークや私服出勤など、時代に合った働き方をいち早く導入してくれていますしね。
本気の仕事だから、泣ける。
——では、お二人の仕事内容について教えてください。
D. アーマフレックスという発泡ゴム断熱材を主に扱っています。身近なところだと、スーパーやコンビニの冷蔵庫などに使われているものです。製品の知識や施工技術など覚える知識はたくさんありますが、自分のアイデアで自由に営業できるので、やりがいは大きいですよ。新規のお客さまを開拓できた時の達成感は格別です。
M. 製品の販売に留まらない仕事が大きな特徴ですよね。営業パートナーである販売代理店さんの要求に応えたり、工事店さんの困りごとをフォローしたり。現場を訪問する機会も多いです。
D. 製品の提供だけでなく、付加価値を提供する。その分だけ、やるべきことも多いよね。
M. 1年目のころは、かなり苦労しました。書類の作成にしても、提案にしても、「当たり前にできていなければいけないこと」ができない。そんな自分が悔しくて、悔しくて。不甲斐なさに泣けてくることもありました。
D. Mさんは1年目から大手のお客さまを担当していたこともあって、かなり苦労していたよね。でも、仕事で泣けるということは、そこに本気で向き合っているからだよね。責任感が強く、向上心を忘れない。素直にすごいなと思うよ。
M. 挫けなかったのは、周囲の先輩方の支えがあったからこそです。Dさんは覚えていないかもしれませんが、私が仕事で悩んでいる時に、話を聞いてくれましたよね? 遠回しに事務の女性に頼んで、飲みに誘っていただいて。
D. 懐かしい。まだ「飲みに行っていい時代」のことだね。でも、あれはたまたま。なじみの店に行くと事務の女性がいたから、「悩んでいるみたいだから、誘ってみようか」って。知らないうちに、美談になっていたとは……。
——面倒見のよい、ウチヤマコーポレーションならではのエピソードですね。では、Mさんが成長したなと思えるエピソードを教えてください。
D. それは、間違いなく車の運転技術ですよ。OJT当時は、運転中ナビが見られない。高速道路の合流もスムーズにできない。隣に座っていて、命の危険を感じていましたから。「そこ?」と思われるかもしれないけれど、僕らの仕事は、車での移動が多い。Mさんが合流をスムーズにできた時は、隣で拍手してしまったくらいです。後部座席で商談の電話をしていた先輩には「うるさいよ!」なんて怒られてしまいましたが(笑)。
M. 確かに「そこ?」って思います。当時はハンドルを両手で握っていないと不安で仕方なかったですからね。今では、かなり余裕をもって運転していますよ。ただ、これは運転に限った話ではなく、さまざまな仕事で言えることだと思っています。1年目は右も左もわからず、かなり苦労しましたが、少しずつ余裕を持てるようになりましたから。
チームの力を使い倒せ。
D. 少しずつ、余裕が出てきたと言っていたけれど、それが成果として表れているよね。最近では、新規案件も獲得することができているし。自分の力で開拓する新規営業は、大きな自信につながるよね。
M. まだまだ周囲の皆さんにサポートしていただきながらではありますが、自らの仕事に手応えを感じられるようになってきました。ただ、「自分の力で」という実感を持てるまでには至っていません。そこが今後の目標ですね。自らの手で成し遂げたと思えるような成果を出せるように、もっともっと成長していきたいと思っています。Dさんはどんな目標を持っていますか?
D. 社内での存在感をもっと大きくしていきたい。そう思っているよ。でも、Mさんとは少し考え方が違っていて、「周囲の人たちを使い倒してやろう」「使えるものは全部つかってやろう」と思っているんだ。ウチヤマコーポレーションの営業は、チーム一丸となり、時には部門を越え、ワンチームで成果を出していくスタイルだよね。だからこそ、自分ひとりにこだわらない。僕自身、「これでもか」と使い倒してほしいと思っているから。
M. 言われてみれば、その通りですね。私もチームの一員として、貢献できるように頑張ります。Dさんのことも使い倒しますね!
D. そういえば、思い出した。以前、とある案件のフォローで現場に行かなければいけない時に、「できるだけ多くのメンバーを連れていこう」と言っていたのに、僕だけ呼ばれなかったことがあったよね?
M. 休日だったから気を遣ったんですよ! Dさん、忙しかったですし!
D. 行ったかどうかはわからないけれど、せめて、声だけでもかけてほしかった……。